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「旅立ちの朝」



音もなく登る朝陽を横目に佇む影は
その胸に色とりどりの想いを抱えて遠くを見据えた
空のアオが見守る道には風と遊ぶ草花が
ユラユラと踊りやわらかな息吹を匂わせて
いくつもの時を見続けてきたのだろう

ずっと遠い過去の雨に消えた足跡の上を今歩いてる
数々の声が世界に広がり空の彼方の星がささやく

野原に腰をおろして草笛を鳴らして
いつの頃か忘れていた懐かしい記憶を思い出した
仰いだ空には風に乗って遊ぶ鳥たちが
なによりも早く季節の息吹とたわむれて
いくつもの旅人を見てきたのだろう

誰もが未知の行く末に平和を願って歩いてきた道に
甘い香りを匂わせてキレイな花たちが咲いていた

頭をなでるように朝の光が宙を流れて
立ち上がった影はただ一つの色を求めて
再び歩き出した旅立ちの朝
ずっと遠い過去の雨に消えた足跡の上を今歩いてる
数々の声が世界に広がり空の彼方の星がささやく




2/10/2024, 9:42:25 AM