冬のはじまり____
2022/11/29 小説日記
映像をみてすごいと思った。
周りは真っ白で
真っ直ぐに箸から箸へ移動するだけで
太陽は決して沈まない。
映像をみていいなと思った。
周りは薄暗くて
微かな光が地平線を移動するだけで
太陽は決して登らない。
窓から冷たい風が吹き付け鳥肌が立つ。
一日中夜なんて羨ましい。そう思った。
単に、真っ暗が好きだとか
夜はずっと寝れるからいいなーとか
そういうんじゃなくて。
きっと、一日中夜でも起きなきゃいけないし、
登校しなきゃいけないし、
明日へ進まなきゃいけない。
時間が止まっているわけじゃない。そんなのわかっている。それでも、永遠に夜が続くのはいいなと思う。ずっとずっと、私でいられる。そんなのどれだけ楽だろうか。どれだけ自由だろうか。
袖を伸ばし私はため息を付きながら
授業が終わるのを待った。
11/29/2022, 10:40:50 AM