私も余りに幼く、綴りつづりしか覚えて居ないのですが
夜空に浮かぶ星の中で月が一際目立っていた夜の事でした。
私はまだ子猫だった頃だったものでしたから、
母猫が来なくなってしまってから、非常にひもじ
く、
ひょっとしたら餓死するのでは無いかと、
不安に駆られ、無闇矢鱈に声を出して居たのを覚えております。
暫くそうして居ると、遠くから足音が聞こえて来まして、
段々此方に近付いてきているようなのでした。
私は、自分の居場所をその者に知らせて良い物なの
かと本能的に、幼稚な心でその疑問の答を探していました。
その内に、此方に気付かれてしまったようで、
その者は、2本の足で器用に此方へ駆けて来ました。
その時幼いながら死を覚悟したのを印象深く感じています。
しかし、その者は当然の如く私を優しく抱き上げ、
懐から小さなパンを取り出し、地面に置かれました。
行動と見た目の違いに戸惑いつつも、飢えて死ぬ事の方がなんせ怖く、私は警戒などせず、遠慮なく齧りつきました。
直ぐに食べ終わってしまった私は、
(その頃はこの食べ物が何かも知りませんでしたが、)パンがもう一度欲しく、
その者に縋り付き少し前より大きな声を出してお願
いしました。
ところが、その者がもう一度地面にパンを置くことはなく、私をまた抱き上げ、歩き始めました。
その者の腕の中では、
視界が高く無理矢理飛び下りて逃げる事は
考えませんでした。
暫し経って、腕の中から外を覗いてみると
夜なのに何故か明るい、大きな大きな小屋のような場所に入るところでした。
お題/子猫
ーーーーーーーーーキリトリ線ーーーーーーーーー
夏目漱石の[吾輩は猫である]
を思い浮かべながら書きました
自分勝手で済みません!
11/16/2023, 2:18:24 AM