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ジャングルジム





空が青い
白い雲がゆっくり流れてる
「だいちゃん待ってー!!」
か細い声で呼ぶ
タクミは身体をよたよたさせて俺の後ろを付いてくる

「タクミは弱っちぃな~ ほら!」と手を握ってまた歩き出す

はにかみながら「ごめんね」と謝るタクミに
「謝るな!今からあれに登るぞ!」

指差した方向を見て
タクミは目をまん丸にして
「ぼ、僕、あんなの登れないよ~」
なんて言ったけど聞こえないふりして走った

目の前のジャングルジムは凄く大きくてちょっと足がブルッと震えたけど誤魔化した

「登るぞ!下見るなよ」そう言って登り始める

怖いと言いながら登るタクミに
もう少し、大丈夫と声を掛け
やっと
てっぺんまで登ると遠くまで見渡せた
隣に居るタクミは広がる景色に
目を輝かせている
風が急に強くなって額に吹き付けた

自慢げな顔で
「ちょっと偉くなった気分になるんだよな( ¯꒳¯ )」
俺が言うと
「うん!」嬉しそうに笑った
タクミは
それからすぐ何も言わずに転校した…




「だいちゃん、ごめんね何も言わずに居なくなって…」
僕は今、ジャングルジムのてっぺんであの時の事を思い出しながら
また謝った…

9/23/2023, 11:54:40 AM