甘露

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1日の中で、最も生き物の音が無くなる時間。
星と、街の灯りだけがチカチカと、小さく力強く囁きながら何かを話し合っている。
たまには風が大声を上げ、たまには雨がかしましく喋り合う。
月は言葉少なに夜空をゆっくり、気まぐれにたゆたう。



眠れない夜には、天使に会える時がある。
彼は私の全てを赦し、抱きしめ、流す涙を受け止めてくれる。

または、悪魔が来る夜もある。
これまでの罪を冷たい氷柱に変えて、突き刺し、責め続ける。朝日が私を暖めてくれるまで、彼は赦すことはしない。

ミッドナイトという濃紺色の言葉の中には、静けさと贖罪が忙しく行き交うから、こそりと丸薬を一粒飲んで、目蓋が重くなり、今日こそは、あの星や街の灯や、風や雨になれるよう膝を抱えるのだ。

題目「ミッドナイト」

1/27/2024, 4:50:13 AM