遠い昔の記憶。
ぼんやりとしていて思い出そうにも思い出せそうで思い出せない。
まるで輪郭がはっきりとしないピントの合わないぼやけた写真のようだ。
その古ぼけた写真のような記憶はふとした瞬間に思い出すこともある。
それが良かれ悪かれ過去の記憶ではあるもののはっきりとしたものではない。
鮮明に覚えているものはほんの僅かだけ。
小さい頃に親と一緒に遊園地に行った記憶。
浜辺で貝掘りへ行ってずぶ濡れになってしまった記憶。
初めて猫を飼い始めて撫でた時の記憶。
記憶は曖昧であっても思い出として処理されるゆえに少しずつ忘れていくのかもしれない。
セピアに彩られたその古ぼけた写真はいつか静かに消えさるのだろう。
「記憶という古ぼけた写真」
7/17/2024, 12:10:20 PM