戯引輪 昏伴

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懐かしく思うことは、しばしば後悔の隣に住んでいる。

左手にカゴを、右手にアルバムを持って一軒一軒ノックして回る。

時折懐かしい思い出が出てくる。そんな時にはひとしきり抱擁をする。いつまでもそうしているわけにはいかないから、後ろ髪を引かれつつ、次へ進む。

唐突に、ノックした扉の後ろから後悔が激しく顔を覗かせる。そんな時、他の家の窓窓も開き、静かに、あるいは激昂して、後悔がこちらに向かって叫んでいるように思われる。

もう後悔なぞしたくないと、思えば思うほどに未来は霧に包まれて、不安は募る。
両手を前に伸ばし、髪は後ろに引かれ、気がつけば今いる場所も定かでない。

......果たして地に足はついているのだろうか?

.......これは私の話だ。つまり、あなたの話だ。

10/31/2022, 9:33:53 AM