千鶴

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彼女は病室から空を見ていた
彼女は末期のガンでもう治らないらしい
そして余命は2週間だという
私は彼女になにかしたくて
花束をあげることにした
『あげるよ、これ』
我ながら不器用だなと思うが
こうするしか術はなかったのだと言い聞かせる
彼女は嬉しそうに顔を綻ばせた後
「ありがとう、嬉しいわ!」と
涙をポロポロ零していた
『泣かないでよ、!』
女の涙は苦手なんだよ
何をしていいのか分からなくなる
そして涙を止めてあげ、別れた

その翌日に彼女は亡くなった
早い死だった、急にガンが全身を覆ったのだと
焦燥感に駆られ、鬱状態になった私は
精神科に入院した

題 病室

8/2/2024, 10:04:46 AM