歩歩満

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まともに顔を見れない

あの時、僕は体よく彼から逃げた

少しずつ、包まれていくことが怖くて

僕の内から外まで、占領されていく気がして

声をかける事も出来ない。ましてや許しを乞うなんて

脳を掠めた自身を突き落としてやりたい

ふと、顔を上げると、彼が立っていた

血の気が失せた。駒のように動けなかった

頬に炎が走った。殴られたみたいだ

なのに、何故か歓喜を感じでいる

手を差し出された。起こしてくれるらしい

「お互い、意味のないことだったな」

ああ、彼も怖かったんだ、けど、歩み寄ってくれた

「ううん、意味のあること、だよ」



11/8/2022, 10:24:16 AM