ぺんぎん

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きみの手のひら、ラムネの瓶の内で陽を飛ばしてかろかろ揺れるビー玉と
波のようにちゃぽんと引き返す、濡れた炭酸のすこし弾けるのがあまりにきれいだった
乾いたプールサイドはふたつ影を伸ばしている、そのうちの片方の身体はあたしだ、
きみがあたしの影を踏んでくすくす笑い、あたしは近くの影を踏み返してもっと笑う
ちいさな蝉がひとりきりで、長いことその体を、精いっぱい揺らして鳴いている
あたしは、こんなに幸せなことはないと、君と、日が落ちるころまで肩を並べていた

2/22/2023, 11:40:57 AM