彼が居なくなってから全ての仕事が狂い始めた。
べつに好きとかそうゆう事ではない。
ただ、その仕事は彼でなくてはならなかったのかもしれない。
見た目は冴えない、平凡で温厚で目立とうとせず、
居ても居なくても変わらなそうな人だった。
むしろ作業はのんびりで、イライラすることもあった。彼は派遣だった。契約が切れていなくなった。
彼の代わりに作業に入ったのは社員のおじさん二人だった。
変わりはじめた。変に変わりはじめた。
自分中心に動くので仕事がやりづらくなった。
おじさん達は、気に入らない社員を指摘して文句を言って周りを乱す。巻き沿いを食らう。お節介が余計だ。やりづらくて作業に集中できず、空気がビリビリしている。そして自分もビリビリを放つようになってしまった。私がいけないのだろうか。もう頼むから居なくなってほしい。それかあの人達が居ない場所へ行きたい。
よく思う。「持ちつ持たれつ…その前に、自分の仕事だけに静かに集中できる人はいないのだろうか」と。
ただただ…つらい。
居なくなった彼はもはや、会社の守り人だったのではないかとすら思っている。
2/13/2023, 4:25:18 PM