最初から決まっていたなら、そしてそれを教えてくれていればどんなにいいかと思うことが人生には何度かある。
既にわかっているなんてつまらない! 悩んでこその人生! なんて考えない。わからないから恐れるのだ。受験に落ちたら? 就職が上手くいかなかったら? どれだけ頑張ったところで先の見えないことには変わりない。
私はいつか死ぬ。それだけは決まっていることだ。命が終わること自体は怖くはない。避けようのないことで、この時は平等に訪れるものだからだ。
しかし、どのようなかたちで、つまり死因はわからないので今からもう怖くて仕方が無い。私は不安症なのだ。
わざわざ怪談話など聞かずとも、老人が運転する猛スピードの車に跳ねられたら、変質者に襲われたら、ホームで背中を押されたら、なんてことを考えて一人ぞっとしている。
【最初から決まっていた】
8/7/2024, 2:30:05 PM