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「きらい」

とある小学校に、人気のある男の子と人気のある女の子がいました。

そして、男の子は人気のある女の子、女の子は人気のある男の子が好きでした。


男の子は、平凡な顔立ちのどこにでもいる普通の子です。学校中を走り回ったり、自分で考えた遊びで友達を楽しませていました。

男の子は、人気がある女の子を見つけると胸をときめかせて、いつかお話出来る日を心待ちにしていました。


バレンタインデーの日、男の子はあんまりチョコをもらえる程じゃ無いのですが、毎年の様に人気がある女の子からチョコをもらえるのを楽しみにしていました。

男の子は廊下を歩いていると、女の子の友達から女の子のチョコを渡されました。

男の子は、女の子の事はあまり好きではなく、その様子を人気がある女の子が遠くの方で見ていたのを見て
「オイ、アイツがチョコを渡したぞ」
と、不機嫌そうに言いました。

女の子が
「違うよ!このチョコは人気のある男の子に渡そうとしたの!」
と、言ったので、男の子は自分がおちょくられていると思い、女の子の事が一気に嫌いになりました。


それからと言う物、男の子は友達やクラスメートからからかわれる様になり、黒板に男の子と女の子の相合い傘が書かれてるのを見てから、男の子は女の子をイジメるようになりました。

上靴をゴミ箱に入れたり、
女の子の机に落書きをしたり、
黒板消しをぶつけたり、
冬にホースの水をかけたり…

もう、人気がある女の子は自分の事は好きになる事が無いんだなと絶望の気分になった男の子は、担任の先生にバレンタインの日の出来事を話しました。

担任の先生は、
「それは辛い思いしたね」
と、男の子に寄り添いました。男の子は涙を流しました。


数日後、男の子は友達から
「人気のある女の子に、お前の恥ずかしい画像や動画見せるぞ」
と、言われました。男の子は止めてくれと友達に言うと、
「だったら、女の子が嫌いだって証拠見せろよ」
と、言われたので、男の子は理科室に忍び込んで塩酸を持ち出し、女の子の顔にかけました。

「お前、陰キャだしブサイクだから大っ嫌いなんだよ!コレで学校に来れねーだろ」
女の子は大泣きしました。男の子はこの時から学校中から後ろ指を差され、虫ケラを見るような目で見られるようになり、イジメはエスカレートして、男の子は転校を余儀なくされました。


「あんな女、大っ嫌いだ…」
男の子は、塩酸の件を担任の先生や両親に言いました。担任の先生は男の子をかばいましたが、塩酸の件がSNSで広まってしまい、男の子は転校先でもイジメに遭って不登校になってしまいました。


男の子の友達は、
「ライバルが減って良かったな。まさか女の子の友達が協力してくれるとは思わなかったし」
と、和気あいあいと話しました。

4/8/2022, 10:17:47 AM