柳絮

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ただ、必死に走る私。何かから逃げるように。


走る。走る。走る。
肺が早朝の冷たい空気を吸い込んで痛む。
前へ。前へ。前へ。
ゼリーしか食べてないのに脇腹がキリキリしてきた。
もっと。もっと。もっと。
首に張り付く髪が邪魔だ。
それでも走る。駆ける。逃げる。
逃げる。逃げる。逃げる。
無神経なトモダチ。SNSのマウント合戦。教師の期待。親の過干渉。
そういうめんどくさいもの全部から、逃げる。
置き去りにする。
走る。無心で。
街並みの向こうに、朝日が顔を出した。

5/30/2023, 3:28:32 PM