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「世界のどこかで」



秒針の音が刻むたびに変わり続ける景色の中で
何を見て聞いて笑い泣き、また愛を抱きしめて息をするの
空は自由だなんて呟いて今日もドアを開いて小さく仰ぐ

不意に思い出す消え行く命を目にした日 君は細くマブタから涙を流したね
あの日見せた哀しみが不幸だなんて思えなくて確かに優しさを感じたんだ
失うたびに生まれる愛があることを疑いもしないで

窓辺に射す光のなかで浮遊するホコリさえ美しく見えた子供のころ
何も知らずにただまっすぐに放つ汚い言葉さえ
全ての叫びを世界(そら)は受け止めてくれた

今ならわかるよ 頬を伝う涙も怒りをぶつけた日も
愛から生まれる本気の気持ちだから
ほら、今も世界のどこかで見えない声が願いが祈るのように響いてる
形を変えながら進み続ける時の中で

今日もあたりまえに生まれる愛が
見つからないようにそっと世界のどこかで…どこかで…願い祈ってる


降り落ちる雨が小さな野花を弾くように





11/2/2023, 10:59:35 AM