いつも自分がビリだった。高いところが苦手で、
それに、毎日眠る二段ベッドの上を
想像してしまう。目を閉じただけで
今日と言う日が古くなっていく感覚が
子供ながらに怖かった
時間が経つうちに、その記憶も古くなり
忘れかけた頃、昔の私が登っていた
違うのは、自分の子供だと言う事
足が震えながらも、登りきり
他の子の足をつかんで脅かしてる
「またあした!」と言って手を振り
自分に気づいて駆けてくる
「ジャングルジムの頂上って高いよね。
でも、町を見下ろせるから面白いよ」
と無邪気な笑顔で言う
恐怖を頂上に置いて来たみたいに
「そう」と素気なく応える
内心悔しかった、そして言えなかった
一度も、登りきった事がないなんて
9/23/2022, 10:28:39 AM