「さようならは言わないで」
社会から。時代から。自分のやりたいことから。
「はぐれている」「迷っている」
ぼんやりひとりごちる
囚われるものも背負うものもない
身軽さに
キラキラしている
あの人を見て
自分の中で顔を出す
やっかみを
タバコの煙でごまかしながら…
流れに文句を言って
立ち止まることなく
理不尽な波に抗うことなく
たどりつきたいところに
ありったけの全力で
突き進むあなたを見て
同じ人間なのに…
と思い知らされる…
しがみついて動けなかった
執着から解き放たれて
かなわなかった憧れを
幻で終わらせないで
変化を味方にしながら
次の扉を開こうとしている
彼女を見て
見限られたようで
呼吸をするのを
忘れそうになった…
同じ時代に産まれて
同じ時間を生きて
共に過ごしてきた
それが当たり前と思っていた
無常の中で
すべてのことが変わりゆく
すべてのことが一転してしまう
この別れを
食い止めることなんて
できないとわかっていても
お願い! 今だけは!
「さようならは言わないで」
12/3/2022, 10:57:39 AM