早朝の薄暗い時間
駅前の空気は薄白い
誰もいない小さな改札
電子とレトロが交わるホーム
始発列車に乗り込みひと息つく
見渡すかぎり空の座席は非日常
しんと静かな世界にぽつんとひとり
出かけ間際に入れてきたコーヒー
ボトルの蓋をそっと開けて
広がった香りを深く吸い込み
息をゆっくり吐いたら目を瞑る
熱々をふぅと冷ましてひとくち
酸素と血が巡り身体がじんわりとする
発車のアナウンスは流れない
ゆっくりと揺れ走り出す長い箱
眩しい朝日のその先に
「列車に乗って」
2/29/2024, 12:20:11 PM