鈴木和歌

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 奇跡をもう一度

 奇跡だと感じた瞬間はあっただろうか。大切な人、大切な猫に今日が峠だと言われたとき、私は見たこともない神に奇跡を願った。結局その祈りは長い夜に散ってしまった。
 奇跡とは起こるものではない。一生のうちに体験したその出来事は、そういう運命だった。それだけのことだ。

10/3/2024, 9:01:57 AM