《過ぎ去った日々》
風化した煉瓦の欠片 壁の模様に見えたのは黒ずんだひび割れ 緑の蔦に埋もれた屋根 八重葎の宿の春 見る人のいない卒アル 電池を替えてもらえなくなった目覚まし時計 弔い手の顔を忘れた墓石 もはや通じぬ当時の常識 歴代の柱の傷 相変わらず使えない英語 100点のテストだけ大事にとってくれている 若かりし日の黒柳徹子 アイドルたちのレコードのコレクション 床下に忘れられた梅干しの壺 一度は出てみたかった仮装大賞 玉手箱を開いた浦島太郎の後悔と消え去った白煙
3/10/2024, 6:53:52 AM