私は、基本外では猫を被っている。
仕事中、隣の席の同僚がよく話しかけてくれる。
普段は在宅ワークなので、会うのは月2回程度。
同僚はよく外出をするため、積もり積もった話を私にしてくれるのだ。
私も自分が経験していない体験や、行ったことのない場所の話を聞くのは好きだ。
傍から見れば、仲のいい同僚同士が楽しく仕事をしているように見えるだろう。
しかし、本音を言うと、仕事中は一言も話したくない。
決して話がつまらないわけでも、
同僚を嫌いなわけでもない。
ただただ仕事に集中したいのと、暇な時は気になることを延々と考えていたいのだ。
さらに、昼食もいっしょに食べる流れになってしまっている。
本当は、スマホで映画やドラマを見ながらゆっくりと過ごしたい。
しかし、「1人で食べたい」と言えば、気まづくなるのは想像がつく。
もしかしたら、同僚も本当はいっしょに食べたくないのに誘ってくれているのかもしれない。だとしたら、せっかくの好意を踏みにじることはできない。
そんなことを考えて、なんとなく昼休みも一緒に過ごすのだ。
本来の私は、人に興味がなく、自分の話をするのも苦手である。つまり人と会話を交わすこと自体が難しい。
何も取り繕わなければ、無愛想で気難しい人間に見えるだろう。
悪意は微塵もないが、そのままの態度で接すれば、相手は不快になり、人間関係がうまくいかなくなるのは想像がつく。特に職場では拗れてしまうと、非常に厄介である。
そのため、あまり親しくない間柄の場合は猫をかぶるのだ。私は親しみやすく柔らかな印象にしている。相手に緊張感を与えたくない。これでなんとかうまくやれているが、たまに失敗をすることがある。
それは、常に作り笑いのためか、笑顔から真顔に戻せない時がたまにあるのだ。
誰かと軽く談笑をしたあと、笑顔から戻すことを忘れてしまい、そのままの状態で仕事をしてしまう。
それを人に見られてしまい、「どうして1人で笑っているの?」と怯えながら聞かれた事が何度かある。
しかも、自分では笑っている気など更々ないのだ…
うまく猫をかぶれていると思っているのは自分だけで、
周りからは、変人だとバレているのかもしれない…
8/28/2024, 5:18:44 PM