空を飛びたいと…
部屋の窓は開くけど
見えない格子で閉じていた
外から聞こえる生活音に
僕は此処に居るよ…
でも僕は存在していなかった
何処にも…
誰も僕を知らない
戸籍課に資料として
画存在するだけ
区の図書カードにも
スーパーのポイントにも
僕は居ない
僕は死んでいた…
心臓は音を立てているが
肺は左右共に膨らむけど
僕は社会に死んでいた
何も悪いことをした記憶を…
探しても捜しても見当たらない
何年も何十年も探したのに
僕は役所の画面上だけに
存在していた
そう僕は…
殺されていた…
社会のルールの隅で
殺されていた…
合法上で殺られた…
知らず知らずに
記憶が消えてく
僕は誰ですか?
けして若年性認知症でなく…
合法上で殺られた
忘れてく
大事な事を…大事な人の名前を…
みんな忘れてく…
ねぇ…待ってよ…
ねぇ…僕を忘れないで…
僕は此処に居るから…
……
過誤ってさぁ…
人を人でなくしてしまう
被害者も当事者も加害者も
その三者の家族と周りの人も
ある日突然…
被害者になる
普通生きてきた
そんな普通の
何でもありふれた毎日に
突然…
ありふれた日は奪われて…
エンドレスな地獄の底へと
何をしても戻らない…
昨日には帰れない…
鏡の中の自分はシワが増えて
僕でなくて…
そしてぜんぶ諦め…
被害の見えない鎖に繋がれ
自分の弱さに幽閉され
昨日を夢視ている…
…そんなある日
インターホンが鳴った
そこには…
12/21/2024, 10:43:09 AM