無頼派

Open App

【この世界は】

 青空を見た。カーテンの隙間から、どこまでも続く薄い青を。そんな青を私はただただずっと眺めていたんだ。
 
 私の中で糸が切れる音がしたあの夏の日、私の世界は全て灰になった。夏真っ只中のあの暑さも、うるさい蝉の声も、時間の流れも、私の存在も。あれだけ私を縛り付けていた、自殺願望ですら灰になった。
 私の世界が消えたのか、世界から私が消えたのか。そんな事を雲ひとつない薄い青空を見ながら考えていた。
 この世界では、世界が滅びる日どこまでも続く青空も夕日も星空も灰になって落ちるという言い伝えがある。都市伝説とも、噂話とも違う。生まれた時から刻み込まれている。誰が言ったのかも、どこで始まったのかも分からないこの言葉が今になって、切れた糸の代わりに私と世界を繋ぎ止めてくれた。

1/16/2026, 3:33:09 AM