狼星

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テーマ:誇らしさ #276

誇らしさを持ちたかった。
自分に自信がなくて
いつも自分を誰かに比べて
勝手に沈んでしまう、
私を変えたくて。
魔法のペンダントを友人にもらった。
自分に自身を持てるペンダント。
そのペンダントは私に誇れるものをくれた。
友達と話を進んでできる。
楽器の演奏会でソロのパフォーマンスでの成功。
成績を上げることまでできて、
親にお前は私たちの誇りだと言われた。

しかし、私は嬉しくなかった。
魔法のペンダントをくれた友人は
私が色んな人の輪に入っていけるようになると
全く話さなくなった。
私はいくら
友達ができても
パフォーマンスが上手くいっても
成績が上がっても
誇らしいと素直に思えなかった。
だから私は、
友人にペンダントを返した。
「このペンダントの力は本物だわ。
 でも私は貴方といる時間のほうが誇らしさを手に入れるよりもっと大事だって気がついたの」
すると友人は言った。
「このペンダントに誇らしさを手に入れる力なんてない。あなたを喜ばせたくて、自信をつけさせてあげたくて嘘を言ったの。ごめんなさい」
私はそれを聞いて驚いた。
でも私は友人を抱きしめて言った。
「私にとってあなたは誇れる友達だわ」
友人は戸惑っていた。
「こんなにも思いやりを持った優しい友人が私に入るのだからこれ以上何も要らない。誇らしさを手に入れていたの、私は。自分でも気付かない身近なところでね」


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8/16/2023, 1:13:00 PM