13歳!

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コツン。
私の目の前にアイスコーヒーが置かれた。
いつもは声を掛けて置いてくれるのだが、
私が外を眺めてぼーっとしていたので
きっと気を利かせてくれたらしいのだ。
私はひと言、「ありがとう。」
と、いつもの可愛い女給さんに感謝を伝え、
アイスコーヒーを一口飲んだ。
ほろ苦ーい、いつもの味。
うん、美味しい。
また外を見つめる。
今日はもう帰るかぁ。
そろそろ社の休憩時間が終わる。
いつもはもうちょいゆったり出来るのだが
最近仕事が忙しい。
サボり癖のある私も最近は出社している。
コーヒーを一気に飲み干し、会計を済ませ、
店を出る。いつもどーり、店が並んでいる。
私は社の方向へ歩く。そして暫くすると足が止まる。ん?なになに?「良く当たる!星座占い」
だと?
ふーん?
私は、自然と古本屋の外に置いてある棚の方向に
方向転換して歩く。
歩きながら、その本のサブタイトルを読む。
「この本で貴方の全てが分かります!」 
嘘臭い。
いつの間にか棚に到着して、本を手に取る。
私が本を開いて自分の星座だけ見ようとすると、
新聞をまとめる紐のようなもので、止められていて、本が開けない。
最近はこんな対策されてるのか!
周りの人の目とついでに店の中に居る店員とも目があった。。
買うか。
私はちゃんと買いますよと言うように、堂々と歩いて店の中に入って、レジ前に置く。
ピッ!と、レジに通されて、代金が表示される。
2700円!?たっか!たかが占いでしょ?!
私は泣く泣く1000円札を三枚出し、300円のお釣りを貰う。
こんなことなら、社でインスタントコーヒー飲めばよかった!もったいない!
私は占いは信じない。「見るだけ」なのだ。
幽霊は信じないが怖い話は好きみたいな感じだ
私はとぼとぼと歩いて今度こそ社に向かって歩いた。
せめてこの本は同僚と楽しみながら読むとしよう。


社に付いた。
私はさっそく、その本が詐欺なのか確かめるべく、
紐をはずし、私の星座のページを開く。
ええっと?
「貴方は正義感が、人一倍優れているでしょう。
町中で困っている人がいたら、助けられずには居られない貴方!貴方は人を優先してしまうため、自分が疎かになっていませんか?そんな時は!黄色の帽子を身に付けると良いでしょう!」
……。こんな高い星座占いを買う純粋な良い子は信じてしまうかもしれないが、誰にでも当てはまるようになってるな。
他のページも見てみるか。
ちょうどそこに居た忙しそうな同僚に星座を聞いて、その星座のページを開く。
…同じようなことが書かれている
やっぱ詐欺か。
酷いなぁ。こんな高いのにさあー!
私は手を伸ばして机にへばりつく。
そんな中忙しい筈なのに、平和な会話が聞こえてきた。
「今日って蟹座が綺麗に見えるんですってねぇ!」
「へぇ!そうなんですね!」
ふーん蟹座ねぇ。
私は蟹座だ。
タイミングが良いなぁ。
なんて考えながら、星とか見るのは好きだから
今日の夜の予定が無いか思いだしていた。
そうだ。星座なんて関係ない何月生まれだからあの星だとか、今考えたら意味不明だ。

嫌な事なんて全部忘れて、
今日の夜、綺麗な星座が見られると良いな。

お題/星座

10/5/2023, 12:01:26 PM