窓の外を見たくない。ここから見える景色は君とたくさん見てきた。だから私には特別だった。走り去るバイク。登下校の学生。散歩を楽しむ犬とその飼い主。そのどれもがかけがえのない瞬間だった。でもそうでなくなってしまった。そうではなかった。理解した途端苦しくて仕方がない。堪えきれず涙がこぼれ落ちる。乱雑に涙を拭い荷物を詰め込んだ鞄を肩にかける。さようならもまたねもないまま、今日、私はここを去る。
9/25/2023, 10:46:24 AM