♯お祭り
「ドンドンドン」
太鼓の音がする。今日はお祭りの日だ。
みんなかき氷やりんご飴などたくさん持っている。
でも僕は、お祭りなんか行けない。
お父さんが、危険だからダメって言うんだ。
みんなはお祭りに行ってるのに、どうして危険だと言うのだろうか。
涙をためながら、部屋に戻る。太鼓の音が響く。
僕は、耳障りで、つい、叫んでしまった。
お父さんがすぐ来てくれた。心配してくれた。
僕は泣くのを我慢してお父さんに事実を伝えた。
お父さんは、ふふふっと笑って、こう言った。
『お祭りは、人混みがすごいから、言っちゃいけないんだ。6歳だから、もうわかるだろ?』
僕は我慢ができなくなった。部屋まで駆け出す。
「もう一人で行けるもん!」頭の中で流れる声。
お父さんには、内緒で、お祭りの準備をした。
お父さんがいないうちに、僕は外まで走った。
『見えた!屋台だ!』
僕は叫んだ。見えた屋台まで裸足で走る。
この時の僕は、裸足で行けばバレないと思ってた。
屋台に入り、かき氷を頬張る。
僕は、ビックリして、食べるのを止めた。
なんと、屋台には、お父さんがいたんだ。
お父さんはつぶやいていた。
『流石にあの子には悪いから、かき氷を2つ、買って帰ろう。』と。
僕はショックで、走って家に戻る。
すぐに浴衣を脱ぎ、普通の服に着替えたら、
お父さんが丁度いいタイミングで帰ってきた。
僕は、『おかえり!!』と喜びながら言った。
お父さんは、『なんでそんなに喜んでいるんだ?』
僕は、つい本音が出てしまったと焦り、
『ごめんごめん、何か買ってきてくれたのかとおもってさ。』と誤魔化した。
お父さんは、『そういえば、お前みたいな子供が走って家に帰っていたんだが、お前じゃないな?』
僕は、ビクッとした。
僕は、『そんな訳ないじゃん。僕じゃないよ。』
と嘘を付いた。
お父さんは、ちょっと低い声で、『そっか、そうだよな。』と言った。次に、『そういえば、2人分のかき氷を買ってきたんだ。食べないか?』
と言ってくれた。僕は、待ってましたと思って、
『え!?いいの!?』と叫んだ。
かき氷を食べながら、お父さんはこう言った。
『お前、嘘付いてるよな?』
僕は、『えっ?付いてるわけ無いじゃん。』と抵抗した。お父さんは、『すべて分かってるんだぞ。かき氷を食べてるところも、裸足で逃げるところも、見てないと思ってるのか?』
怒られた。初めて怒られた。
僕は、『ごめんなさい!』と誤った。
お父さんは、『お前ってやつは。さあ、お父さんも食べよう!』と、笑って許してくれた。
僕は、部屋に戻って、考えた。
お父さんは、僕がこんなに悪いことをしたのに、笑って許してくれたんだ。僕は一言を作った。
「お父さんの心は希望の光」とね。
お母さんがいない生活で、僕は、お父さんは大切だと言うことを忘れないようにずっと心に残した。
7/28/2023, 3:35:17 PM