「はなればなれ」
小学生の頃は転校する子が何人かいた。全員、友達と呼べるくらいの子ではなかったから寂しい気持ちはありつつ泣くほど寂しいわけではなかった。その中で唯一引っ越してくれてよかったと思う子が1人いる。
その子と仲良くなったのは転入してきたところ(私が思うに親の転勤が理由で)から始まった。ここではAさんと呼ぶことにする。話してみると家の方向が同じということもあり、私の友達も含めて一緒に帰っていた。ある程度仲良くなると放課後一緒に遊ぼうということになった。しかし遊んでいる時に喧嘩をしてしまい(過失50:50くらい)、Aさんは担任の先生に相談して、私とAさん、担任の先生で喧嘩の解決が行なわれた。また元通りに仲良くなって今度はクラスの何人かで学校の中庭で遊ぼうということになった。そこでもなんやかんや喧嘩があり(これも私が70%くらい悪い)、担任の先生を挟んで解決が行なわれた。そんなこんなでAさんはまた引っ越すことになり、転入してから1年も経たないうちに転校していった。
当時、私に悪いところがあったのは本当だ。しかし、Aさんの短気な性格や自分の非を認めないところが私の性格とは相性が悪かったのかな思う。
引っ越しすると聞いたとき「ああ、やっとこれでいざこざがなくなる…」と安心したのを覚えている。Aさんが転入してきたときに「◯回転校してきた」と言うのを聞いたことがあったため、いつ転校してくれるんだろうと何度も思っていた。
大人になった今、その子と会っても私は当時を思い出すためAさんと喋りたくはない。現実的な話をすると、当時は携帯を持っているのは珍しかったから、今繋がっている人はよっぽとのことがないと誰もいないと思う。だから金輪際会うことはきっとない。
Aさんが転校した後も校内では転校する子がちらほらいたが後にも先にも、私が転校してくれ…と願っていたのはAさんだけだ。今考えてみて、中高も同じだったらと思うとぞっっとする。きっと教員内でもクラスは同じにするなと話題に上がっていただろう。心の底からはなればなれになってよかったなと思う。
11/16/2024, 1:40:40 PM