ふ、とひと息つく。
後ろには地面を蹴る音が複数。
無事に先を目指してくれたらしい。
お人好しなのは変わってなくて安心したが。
何を言っても「俺も協力する」ばかりで、
頑なに譲らないから、思わず笑ってしまいそうだった。
でもアンタらの止まる場所は、此処じゃない。
もっともっと、先。
道を切り拓くのはてめぇだが
歩を止めるのは違う。
託されたのはアンタで、俺じゃない。
走り続けなきゃいけねぇんだよ。
俺には俺の出来ることをする。
例え肉を裂かれ、骨が折れようとも。
心の臓が鳴り止むまで。
相手を映す瞳には強い意志が宿る。
剣を握る手に、力を込めた。
───『命が燃え尽きるまで』(2024.09.14.)
9/14/2024, 12:26:31 PM