泣かないでと言ってあなたが去った。別に泣く気などない。泣かないでと言われたからではなく、こうなることを知っていたから。言ってしまえば心の準備は済んでいたのだ。どうせ、泣こうが喚こうが、こうなるのだ。「もし、君が行かなくて良くなるなら、喜んで泣いたって言ったら、どんな顔するかな」それは少しだけ興味が湧いた。僅かにぼやけた視界でも君の背後だけはよく見えた。
12/1/2023, 5:06:14 AM