踊り子

Open App

意識はない、という認識はある。
真っ暗で、でも俯せて下を見ていると解った。
何も無い、どん底を見ているのだと思っていた。

そのうち、視線の先、昏いそこが四分割されて、パネルのように一枚ずつくるくると回転しながら、ゆっくりと落下していく。
暗い此処よりなお黒い先へ落ちていく。

ああ、まだ底があるのだなと思った。



“落下”

6/19/2024, 4:21:06 AM