愛とか平和とか、手元に確かにある内は存在に気付きにくいソレ。
手に入れた者とそうでない者との間には途方もなく深い隔たりがあって、諦めたつもりで諦めきれず後ろ暗い目でギョロギョロ睨むしかなかったソレ。
折グセのついた教科書によるとみんなが貰えるらしい。
オトナが頑張ったので。
そうして頑張ったオトナが言うにカゾクはそれを含んでいるらしい。
全くもって馬鹿げている、それなら俺にとってはこの痣こそが俺専用にカスタマイズされた愛で平和とでも言いたいのだろうか、全くもってふざけている。
だから信じない。受け取らない。必要ない。
……必要ないって、必要なかったんだよ。
振り上げられた手が頭を撫でるなんておとぎ話で、
部屋の真ん中で眠るなんて馬鹿のすることで、
その単語は紙の上だけのものだった。
あぁ本当にどうしてくれようか?
必要なかったんだって、ほんとだって言ってるのに。
なくても生きていけたんだよ、ほんとだよ。
その顔で笑わないでってば、その目をやめろったら!!
お前なんて要らなかったよ、こんなに大きくなったんだから、なくても平気だったんだって…
そうじゃなきゃ。
そうじゃなきゃ、どうして俺は貰えなかったの。
3/10/2026, 12:19:07 PM