23時45分
ふと喉と小腹の主張を感じ、ふらりと家を出る。
近付いては遠のいていく灯りと、小気味良いエンジン音。
ぺたぺたと合間に引っ掛けてきたサンダルの音が混じった。
コンビニから出て、ゴミ箱横の軒下で缶チューハイを開けた。
喉を潤し、さてと手を掛けたサラダチキンの包装に、はてと思い手が止まる。
足元には黒く影が伸び、正面の道にはまだ車も人の往来もあるのだ。
あの町では暗闇に、波と虫の音しか聞こえなかったと言うのに。
ずいぶんと夜更けの時間が遅くなったものだな。
じっ
誘蛾灯に焼かれた羽虫が落ちる。
お題:街の灯り
7/8/2023, 3:04:26 PM