枕元すまほ

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「時を結ぶリボン」

会社の飲み会が終わり各自帰路につく。1人二軒目に悩んでいると課長にこのあとうちで飲もうよと誘われた。初めて来た職場の人の家ましてや上司の家ということもあり少し緊張していた。

「ゆっくりしていってよ」そう言い缶ビールを僕に渡すと課長はキッチンに向かっていった。奥様と3歳になる息子さんは今日は実家に帰っていていないらしい。
僕もなにか手伝おうとキッチンへ向かった。キッチンでは課長が簡単なおつまみを作ってくれていた。料理下手な僕はただその姿を眺めるだけだった。

ふとキッチンの棚を見るとお酒があまり詳しくない僕でも知っている高級なウイスキーが置いてあった。そのウイスキーには普段はないリボンがつけられていた。

「あっ、このお酒知ってます!すごく貴重なやつですよね!」

飲もうと思っていたわけではないがおもわず聞いてしまった。少し気まずい顔をしていると課長は嬉しそうに話し出した

「おお、知ってるかこの酒!かなり高かったぞ、でもどうしても欲しかったんだ、息子が生まれた時に買ってリボン付けといたんだ、息子が二十歳になった時に一緒に飲みたくてさ」

できたおつまみを皿に盛りながら話すその姿は幸せそのものだった。
課長が作ってくれたおつまみを食べながら自分が初めて父と一緒にお酒を飲んだ日を思い出し目頭が熱くなった。

12/20/2025, 2:23:46 PM