kaku_ness@身内ネタ寄せ書き用

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遠い日のぬくもり
「ゆーらせんせ〜。今日はクリスマスですねぇ。」
揶揄うように私の肩を叩きながら同僚が話を切り出した。
「ああ、もうそんな時期でしたか。」
「うーん今年も渋め…。恋人のひとりやふたり、由良先生ならいると思ったんですがねぇ〜。」
「誤解のある言い方はやめてくれませんかね。…まあ、佐原先生の予想通り恋人はいませんよ。」
私がはっきりと告げると同僚は大きくため息を吐きながら「私たちにはもっとキラキラした話が必要ですよ〜!!」と同年代の教員達に戯言を撒く。
「…佐原先生。退勤後に何名か誘って食事にでも行きますか?」
そう問いかけると呻き声をあげた後に「…行きます。」と言う小さな返事が返ってくる。
なんだかんだ教職に就いてからクリスマスに同僚達と食事に行くことが定番化しているように思える。
そういえば、この職に就く前は何をしていただろうか。
大学で一人暮らしをしていた頃は特に何もせず、年末になってからその存在を思い出す生活をおくっていた。
高校より前は、家族と過ごしていた。
1つ思い出すと次から次へと思い出が蘇る。
ふと、唯一の兄弟であった『雄斗』の事を思い出した。
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クリスマスツリーの下、
「」
そう言って私の手を包んでいたあの人の手の温かさも、私は忘れてしまったのかもしれない。

12/25/2025, 9:31:37 AM