エグチーセット

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襖がわずかに開いている。
その隙間から光が差し込み畳に直線を描いている。畳特有の干し草の一本一本を丁寧になぞる光。
その光景を見守っているのはチラチラと漂う埃くらいの様なもの。あいにくとそれに背を向け障子越しに見える光を利用して本を読んでいた。
僕にはこのくらいが丁度いい。
太陽の下は眩しい。
隙間から部屋に差し込む一筋もまるで肌や書物に線を引いてるようでゾッとしない。
それでも、日光の下が嫌いなわけでもない。
襖の隙間も自ら作ったのだ。一差しが恋しくなって開けたのだ。

11/5/2023, 3:59:05 PM