1歳7ヶ月の娘はよく走る。
夏ごろまでおぼつかない足取りの一人歩きでふらふらとしていたのに、今はもうしっかりと地面踏み込んで立派に走っている。
気になるものを見つけるとぱっと駆け寄って観察し、気が済むとまた別の方向へ走り出す。
大人が思うのとは違う、彼女だけのタイミングと速度で気まぐれに動くものだから、親はヒヤヒヤしながら見守っている。
危険なところに飛び出さないようにと手をつなぐと、小さなぬくもりが肌に伝わってきて愛おしい。
娘にもそれが伝わるのか、えへへと見上げて笑ってくれる。
そんなある日、冬の朝の空気が冷たくて、わたしは手袋をつけた。
いつものように手をつないだ途端、娘が怪訝そうにこちらを見た。
手のひらに伝わるいつもと違う毛糸の感触が気に食わなかったらしい。
娘はつないだ手をほどき、素早く私の手から手袋を抜き取った。
ああ…手が寒い…
吹き付ける冬の風に指先が冷たくなる。
でも、いつもと同じように手をつなぎ直して満足そうに笑う娘のぬくもりが感じられて、これでいいかと私も笑った。
今年の冬は手袋の出番はなさそうだ。
12/27/2024, 8:42:25 PM