【天気の話なんてどうだっていいんだ。僕が話したいことは、】
「明日は晴れだって」
君が笑う。
「そうなんだ。よかった」
相槌を打ちながら、僕は全然別のことを考える。
君と話したいのは天気のことじゃない。
僕たちの明日のことなんだ。
すると君は言った。
まるで僕の心を見透かしたみたいに。
「ねえ、こうして一年後も、十年後も、二人でお天気の話とかしていたいね」
「えっ、それってどういう……」
言いかけた僕の唇に君の人差し指が触れる。
「わかんないの?」
いたずらな微笑み。
ああ、もう。君には敵わない。
きっと一年後も、十年後も、ずっと。
5/31/2023, 10:53:45 AM