柳華

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「あいつ、どうだった?」
「だめ」
「そっか……とうとう自分達だけになったね」
「昨日まであんなにうるさかったのに……」
「それが原因な気もするけど」
「これからどうする?」
「どうするって言っても………」
「外、行ってみる?」
「……………行ってどうするのさ、もう何もないだろうに」
「わからないさ、だってあいつ、たまに何か変な物拾ってきてたろ」
「なんにも役に立たないものをね」
「見る目がなかっただけかもしれない。あいつ、そういうのほとんど知らなかっだろ」
「まぁ……確かに………」
「私達もいつ駄目になるかわからない。それならいっそ外に出てバッテリーとか、他のものも探そう。そうすれば……」
「……そうか、あいつもなおるかもしれない」
「そういうこと。……怖い?」
「ちょっとね。ここから出たことないし。でも、わくわくもしてる」
「私も同じだ。……よし、善は急げ、支度をしよう」
「とりあえず、まずはメンテナンスだな。……オイル残ってるっけ?」
「あいつが使い果たしてなければ」


   人類滅亡後、
      遺された二体(ふたり)の旅のはじまり

3/22/2024, 3:15:34 AM