咲く花の彩りは尽きずして、しかも元の色にあらず
花畑に咲く花々は、かつ枯れかつ芽吹きて、
久しくとどまりたるためしなし
かの有名な芳丈記の冒頭である。
花の色はひとつとして同じものはなく、
また時とともに移ろうものである。
花畑に咲く花は、それぞれに枯れては芽吹き、
同じ状態でとどまることはない。
自然の美しさや生命の移り変わり、
そしてそれが永遠ではないという
「無常」の感覚が表現されている。
というのが、よくある解説だが、
本当は何を伝えたかったのか。
私などに言わせれば、こうである。
一瞬の花となれ
精一杯の彩りで、見る人の心にうるおいを
惜しみない芳香で、香る人の心にやすらぎを
風に散らした花弁で、去る人の心におもいでを
与え尽くして枯れていく
一瞬の花となれ
〜花畑〜#3
9/17/2024, 2:39:03 PM