ふいじ

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カレンダー

おばあちゃん家のカレンダーが好きだった



ふたつの膝小僧をながめながら、ふとそう思った。
ああ、むだ毛が生えている。剃らなきゃ。

いやいやそうじゃなくて。


おばあちゃん、元気かな
最後に会えたのは、いつだったか。お正月には会いたいけど、多分仕事だろうな。今年も無理かな。

嫌だなあ、なんでだろ。なんでだろって何がだろ。



子どもの頃に戻りたい。
おばあちゃん、優しくて、温かくて、料理の上手なおばあちゃん。
大好きなおばあちゃん。

あの頃だって近くに住んでたわけじゃなかったけど、お正月や、お盆の時期には毎年会えた。
お庭を自由に走り回って、畑の土の温かさを手のひらに感じて、夜には必ずおばあちゃんと一緒にお風呂に入った。
朝起きたら脱衣所のドアに掛けてある日めくりカレンダーを、一枚だけめくるのだ。
大したことじゃないのに、おばあちゃんは絶対に褒めてくれた。

ありがとうねぇ、気がきくねぇ

それが照れくさくて嬉しくて、明日もめくるから帰らない、なんてわがままを言っては両親を困らせた。




あしたは、なにがあるのかな

たのしいことがあるのだ、うたがいなどしない

あの頃にかえりたい

カレンダーをめくりたい。


9/11/2024, 10:08:44 AM