妖精は悪戯が好きだ。綺麗に片付けたはずの部屋が汚れていたり、お気に入りの物が無くなっていたりしたら、そこには妖精が住んでいる。誰も姿を見ることができないし、叱ることもできない。 その変わり夜になると、舞い踊る妖精の羽の鱗粉が、淡くて甘い夢を見せてくれる。無限の可能性を秘めた幸せだらけの世界だ。 しかし人間は朝になると、夢を見ていたことを簡単に忘れてしまう。それで妖精は歯痒くなってまた人間に悪さをするのだ。
1/13/2024, 12:57:57 PM