君と出逢って61年。
宇宙に浮かぶ星になった君は、いま、どんな気持ちなのかな。
君はもうぼくと言葉を交わせないけど。
君はぼくの中の記憶で一番に愛してるから。
君が言ったように、ぼくは認知症らしいね。
たしかに物忘れが多くて忘れっぽかった、気がする。ごめんね、迷惑かけちゃってたね。
でも君のことだけは忘れたことなかったよ。
認知症で君のことを忘れて、毎回「お名前なんていうの?」って聞いてごめんね。
でもそうやって聞く時、心のどこかで知ってる人だと思ったり、ああ、なんか好きだなって思ったりするんだ。
そうだ、話が逸れちゃったけど。今日は君の、記念すべき誕生日だよね。
ぼくの隣で笑ってくれて、嬉しかったよ。
生まれてきてくれて、ぼくのことを好きになってくれて。本当に、ほんとうに。
ありがとう。
もうすぐそっちに行くだろうけど。
いつもみたいに笑ってね。
泣かないでね。
誕生日、おめでとう。
#2024.5.5.「君と出逢って」
ひとりの老人と星の妻。
普通に創作。老人の口調気に入ってる。「うんうん、そうだよね。」みたいな感じ。
最近HQ熱が冷めてきたかもしれぬ…。
熱が冷めると文に感情が込められないので書かないようにしているので少なくなるかもしれません。ご理解いただきたい。
5/5/2024, 1:51:33 PM