廃寺夜想曲*

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光と闇の狭間に、振り返る。

砂浜に、綴られた足跡。

潮風に、前髪が軋む。

反射した光が眩しい。

星の輝きが、眩い。

夏の海が綺麗だ。

水平線に、味のない子供のはしゃぎ声。

水を掛け合う、童女。

嗚呼、瞼が重い。

彼処まで走ってきたと思っていたのに、ときめく夏影が、

染まる。

何時までも続くと信じていられる今が、只、蒼く淡い。

沈む漣に、手を伸ばす。


僕は未だ、無邪気な君がいることに浸ることにした。

12/2/2022, 10:38:42 AM