りゃん

Open App

なんか面白そうだなって始めたオンラインゲーム。
ギルドに参加して音チャするようになった。
半年位毎日遊んでたらふと君の声が聞けないと寂しく感じる僕がいた。
たまにギルメンと時間が合わなくて二人きりで遊ぶこともあった。
冒険のクエストにでる度に仮想世界だけど現実の僕よりかは勇気を出して守ってあげなくちゃって思えるんだ。
「あぶない!」
「ありがとう、○○のおかげで助かったわ!」
なんて言ってもらえたら僕はちょっと誇らしかった。
刈り場のレベル上げ作業の時、夜中のテンションもあって悩んでいた君の話を聞くこともあり秘密の共有に何だか君のこと考える時間が増えてきた。
アレ何だかおかしいな?

1年を過ぎた頃過去最大のギルドイベントがあって皆の頑張りもあって結構良い成績を収めた。
リーダーが興奮して
「ねね!お祝い兼ねてオフ会やらない?」
とギルドメンバーに提案してきた。
皆賛成で程なく日時も決まった。
「みんなに会えるの楽しみだね。」
「俺はアバターに寄せてるから。」
「私は反対のイメージだから驚かないでね。」
口ぐちに期待とネット上の付き合いとリアルが融合する瞬間に少しばかりの心配と受け入れて貰えるかの不安を抱えながらギルドメンバーには申し訳ないが僕はあの子に会えることにドキドキしてきた。
会ったらなんて言おう、好きです。いやそれはないだろう。会って早々焦りすぎだ。ていうか好きなのかな?確かに会って見たいって思ってる。声も可愛い。だけどまだあったこと無いんだぜ、ナイナイナイよな?

今日いつもより早く起きた。
身だしなみが大丈夫か3回も確認した。
なんで緊張してるんだろ。ギルメンに会うだけだし、気合いなんか入れてねーし。なんて自分に言い聞かせながら家を出る。

待ち合わせの場所が見えてきた。
やべ緊張するな、もう誰か来てるかな?
えっと目印のアレ何だっけ?
「あの、○○君ですか?」不意に死角から呼びかけられて振り向いた先に君がいた。

心臓落ち着けって俺!
「あ、そうです。」
「良かったぁ。あの私☆☆です。」
「えっそうなの!」
てやっと答えられた俺は今日を無事過ごせるか自信が無くなってきた。
もうさ心臓が耐えられなさそうだよ。鼓動が君に反応し過ぎてヤバイ。五感が冴えまくってるのか良い匂いがするし、生声はチャットから聞いてる声より可愛いし、何より君を見た瞬間、俺の全細胞が騒ぎ出した。なんだこれは!電撃に打たれたとかって聞くけどそんなのよりももっとスローモーションで明確に君だけがポップアップされていくような、ほんの一瞬のことだと思うのに2時間以上の映画を見ているような・・

僕はどうやって家に帰ってきたのかよく覚えてない。君はまだ早いからカフェ行こうって僕は普段甘いの飲まないのに同じ物をとしか言えなくて飲んだ
キャラメルショコララテの味は一生忘れられない。
そして何がどうなったか分からないけど付き合うことになったって誰が信じられる?
ラインの通知音に慌てて画面を開く。
「今日は楽しかったね!何時にログインする?
また2人で会いたいな。」
彼女からのラインにまた俺の細胞が疼き出す。
彼女に触れられる日はいつになるだろうか・・
と考えながら逸る胸を押さえつつラインの返信を
考えていた。


『胸が高まる』




3/20/2023, 7:24:40 AM