焼き鮭

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真っ昼間だろうがうすっ暗くて湿気った寒さの地下室へ降りていく。
そこにあるのは背凭れがみょーに長くて座り心地悪そうな椅子、ストローが刺さったまんまの輸血袋が散らばったサイドテーブル。

それと収まってるモンそっくりな黒くてでっかいカンオケ。

閉じた蓋、あの時々ウネウネ動いてる黒髪が収まってる辺りを覗き込んで、一言落としたらもうこんな寒い部屋に用はなくなった。

"デザートワインに合う奴頼む"

湿気った寒さの蟠る石の階段を昇りながら、今夜急な出撃命令が出されない事と、旦那のご機嫌が麗しいまま夜が来る事を信じてない神様に祈ってみた。




その夜、俺の部屋に来た旦那の手土産が巡り巡ってうちの野郎共の晩飯になっちまったのはまた別の話(泣)

2/13/2025, 6:21:54 PM