ぺんぎん

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『午後3時、いつもの喫茶店で待ってて』
レンガ造りの建物と、何色もの光が零れおちるステンドグラス。

珈琲の香ばしい香りがふんわり漂う室内に何処か懐かしいメロディーが交わっている。
ドリップされた液体が、ぽたぽたと続けて茶色い雫を落とす。
ゆっくりと波紋を描く。真横にはさぼてんの置物。

満たされない、なんとなくな感情を、ゆっくりと確実に埋めてくれる。
あったかくて、懐かしい。
かちり、と時計の針が真上を向く。
からんからんと音を鳴らした半開きのドアから光が漏れる。

2/13/2022, 11:01:09 AM