S君とクラスが離れてしまって寂しい。
というのも、恋をしているのか
自分でもよく分からない状態だから
まだ君に向ける気持ちがわからなくて
少し困ってる。
そんなS君に一言でも話しかけたくて
いつも様子を伺ってる私。
去年とは違い、話すことも困難で
目が合えば手を振る程度で
関係は曖昧になっていた。
ある日、S君がいる野球部の大会前
昇降口でS君が靴を整えていた
チャンスだ。そう思って声をかけた
「頑張ってね!」
突然のことに彼も驚いたのだろう。
中指を立てて過ぎ去ってしまった。
普通の人なら驚くこの仕草も
私はその行動が不器用なS君らしくて
つい笑ってしまった。
ドキドキと、ウキウキが混ざり合う頭の中は
幸せに満たされていた。
これが、私とS君の最後の会話で
最後に出会った日だった
6/27/2021, 9:43:38 AM