何でこのタイミングで。いつもだったら、部下の不出来さを真っ先に指摘する癖に。悄気て見せても知ったことかとお構いなく言葉を連ねる癖に。何で人が一番弱っている時に、そんな、誰よりも。「優しくするんですか……!」堪えきれずに溢れた涙を隠す暇をくれなきまま、鬼だと評判の上司はいつになく眉尻を下げた。「俺もそこまで鬼じゃないぞ」他にもう誰もいないオフィスに、彼の淹れてくれたコーヒーの香りが漂う。とてもとても、優しい香りだった。お題『優しさ』
1/27/2026, 12:55:17 PM