これは、ちょっとした、2人の、絆をテーマにした物語。
1
僕は川下蒼空!僕にはね、とーっても仲のいい友達がいるの!もーね、すーっごい仲良い!
友達の名前は、鈴木有紗っていうの!
アリサは可愛くて、とーっても可愛い!
いっつも一緒に帰ってるんだけどね?今日は一緒に帰れなかった!
あ、忘れ物したから取りに行かなきゃ。
「正直いってさぁ、蒼空ってウザくない?」
「あーね。分かる。可愛子ぶってるよね。」
「あ、有紗...」
『ふふ、分かるー!』
「え、いつも一緒にいるのに?」
『あんなのと仲良いと思われてたん?』
「えーww」
え?
いつも聞いてる声。聞き取りやすい声。
なんで、?仲良いと、思ってたのに、なに、これ。知らない。こんなありさ、しらない。
やだ、やだ。
走って帰った。足音がなってたかもしれないけれど、僕とはバレてないと思う。
今日も学校行かなきゃ。どんな顔して会えばいんだろ。いつもなんて話しかけてたっけ。どうやって声をかけてたっけ。
「お、おはよー!」
「蒼空おはよー!」
あ、結花。
結花はアリサと同じくらい仲良い友達。
「まだ有紗来てないんだけどさー、有紗って正直いって、」
「ウザくない?」
え。3人で仲良いと思ってたのに。
「え、っと、」
「有紗も絶対思ってるよ。」
どうやって返せば...?
「で、蒼空はどう思う?」
ここでアリサを守れば、結花との仲が壊れちゃう。
でも結花に同意したら、アリサが。
「うん。僕も思う〜!」
言っちゃった。
2
私は鈴木有紗。私には仲のいい親友がいる。川下蒼空だ。蒼空は、背がちょっと小さくて、可愛くて、少食だ。蒼空とは幼馴染で、いつも一緒に帰っている。でも今日は先生に呼ばれて、一緒に帰れなかった。待ってくれるって言っていたけど断った。そして下駄箱。夕暮れに染まった景色を眺めながら靴を出そうとする。
「正直言ってさぁ、蒼空ってうざくない?」
「あーね、分かる。可愛い子ぶってるよね。」
え、
「あ、有紗...」
この子達、先生に気に入られてる子達だ。どうしよう。ここで否定したら何言われるか。
「....ふふ、分かるー!」
言ってしまった。
「え、いつも一緒にいるのに?」
『あんなのと仲良いと思われてたの?』
こんなこと思ってない。でも、
「えーww」
ガタッタタタタタ
え、もしかして、
いや、まさかね。
学校か。もし昨日の足音が蒼空だったら。
やばい、そんな事考えてたら遅刻する!
「ふぅ..」
ギリギリセーフ!
「有紗って正直言って、うざくない?」
え。結花?
「えっと、」
え、なにこれ、声出ない。
「有紗も絶対思ってるよ。」
思ってない。そんなことない。
「で、蒼空はどう思う?」
やだ、返さないで。
『うん。僕も思う〜!』
うそ、でしょ?
そんな。
3
アタシは結花!アタシ、鈴木有紗と川下蒼空が大っ嫌い!
でね、今日、やってやろうと思うの。
まずはー、
「せんせー、日直の仕事、有紗に話したー?」
「あ、あぁ。」
よし。
「ねぇ2人ー!」
「なに?結花。」
「なんか用?」
「有紗、今日下駄箱に遅れてくると思うからさあ!蒼空の悪口聞かせてくんない?」
「いいねぇ!何する気?」
「有名だもんね!結花の絆切り!」
「ふふ。」
蒼空のカバンの...
よし、これを机に入れて。
『ふふ、分かるー!』
うん。有紗は先生に気に入られたいタイプだからね。
学校楽しみー
「お、おはよー..」
全然元気ないじゃんww
「蒼空おはよー」
「まだ有紗来てないんだけどさー.......」
〜〜〜〜〜〜〜
絆切りせいこーう!あーあ、楽しかった。次は誰と誰の絆切ろうかなー!
テーマ【絆】3/6 #7
3/6/2024, 12:30:43 PM